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ラッシングベルトの選び方│トラック運搬時の荷締めにぴったりな種類とは

ラッシングベルトの選び方│トラック運搬時の荷締めにぴったりな種類とは

ラッシングベルトには素材や、金具の種類、値段、ベルトの長さ・幅などの異なるさまざまな種類があり、どの商品をどこで購入すれば良いかを判断するのが難しい製品です。こちらの豆知識では、ラッシングベルトの購入をご検討の方向けにポイント毎に違いを解説しています。

ラッシングベルトとは

ラッシングベルトは、トラックなどで荷物を運搬する際に積み荷をしっかりと固定するため使用される「ベルト荷締め機」です。幅広のベルトと固定用のバックル、末端の金具からなります。

積み荷をしっかりと固定することで荷崩れや落下、損傷などのトラブルを防ぐことができますので、背が高い荷物や動きやすい荷物には必ずラッシングベルトを利用してください。

同様の製品にスリングベルトがありますが、スリングベルトは荷物の運搬や吊り上げに利用されるベルトで、ラッシングベルトは荷締めに使用されるベルトで別物ですので、ラッシングベルトはスリングベルトのように玉掛け作業には利用できません。

ラッシングベルトの種類

ラッシングベルトには、全長・幅・厚みなどのサイズや、金具の種類、強度などの観点に分けて考えると非常に多くの種類があります。安全に使用するために、用途にあわせた製品を使用してください。

全長

ラッシングベルトの全長は3~10mのものがあり、調整側と固定側で別々に表記されている場合もあります。1~2tトラックでは全長4.5m程度のベルトが多く使用されていますが、背の高い荷物の場合などは長さが必要となりますので、積荷物に合わせてお選びください。ベルトは後から切断することも可能ですので、長めの製品を選ぶこともおすすめです。

ベルト幅

ベルト幅は25mm~75mmの製品があり、25mm幅は軽荷重用、35mm幅は中荷重用、50mm幅は重荷重用、75mmは超重荷重用と使い分けることができます。一般的にベルト幅が広くなるほど高額になりますが、荷締めしたときに家具や荷物が広く押さえられるため、しっかりと固定することができます。

20mm以下のラッシングベルトもありますが、自転車などに使用されるベルトですのでトラックの作業には向いていません。細すぎるベルトは荷物にくい込む可能性があり、作業の非効率化や安全性の低下にもつながりますので、一定の太さがあるベルトをお選びください。

ベルトの厚み

ベルトの厚みは1.2~3.5mmが一般的です。ベルト幅と同様に厚みがある方が強度が高いため、重量物を支える際には厚みがあるものをご利用ください。


バックル


バックルはベルトの留め具の部分で、強度が高い順にラチェット式、オーバーセンターバックル式、カムバックル式があります。

ラチェット式は、ハンドル(ギア)を反復させてベルトを巻き取ることで、ベルトの長さを調節して、強固に締め付けることができます。重量物や動きやすい積荷を強く固定する場合には、ラチェット式のラッシングベルトをご利用ください。

オーバーセンターバックル式は、簡単な操作で確実な荷締めができることが特徴です。締め付ける力が一定ですので、壊れやすい製品などの締め付けに適しています。

カムバックル式は、手動で引き締めたベルトをバックルで固定する仕様で、手軽に荷物の結束ができます。軽負荷の荷締めによく使用されていて、低価格でコンパクトなバックルです。

ベルトの形状

ベルトの形状は、「両端アイタイプ」「両端金具タイプ」「エンドレスタイプ」があります。

「両端アイタイプ」は、ベルトの両端が輪っか(ループ)状になっていてトラックのロープフックに掛けやすいようになっています。金具ではなく布製ですので、トラックのボディを傷つける心配がなく利用できます。柔軟性がありますが、傷が付いたところから裂けてしまうというデメリットもあります。

「両端金具タイプ」は、バンドの末端に鉄やステンレス製のフックやクリップが付いていて、レール等に固定して積荷の荷崩れを防止します。引っ掛けるだけで取付が簡単ですが、金具がトラックにぶつかってしまい、傷が付いてしまうリスクもあります。

「エンドレスタイプ」は、先端に金具などが無く、ベルトで荷物全体を囲んで締め付けます。細長い荷物の結束や、パレット上の商品の落下防止にも最適です。


末端金具


両端金具タイプで使用される金具には、フックタイプやクリップなどの種類があります。用途やトラックのタイプに合わせてお選びください。

リングタイプは、OリングやDリング、フラットリングなどがあり、輪っか部分をトラック車体のフックなどに引っ掛けて使用することができます。

フックタイプはT字やS字、J字でできていて、フックを掛けるだけで固定できるため様々な方向から荷締作業が可能です。

リング型とフック型が複合されたクロスフックもあり、用途に合わせて臨機応変にご使用いただけます。

ワンピースタイプ(Eクリップタイプ)は、ラッシングレールへの固定金具です。ワンタッチで固定することができ抜けにくいため、作業効率を上昇させます。ただし、ラッシングレールを搭載している車両のみしか使用できませんので、注意が必要です。


使用荷重と破断強度

「使用荷重」とは、1本のラッシンベルトに直線的に負荷できる最大荷重のことです。一方、「破断荷重」とは、引張試験においてラッシングベルトの破断を引き起こす荷重です。一般的に使用荷重は、破断荷重の4分の1~5分の1となっています。使用荷重が100kg、破断荷重が500kgの場合、安全に使用するためには100kgの範囲内で使用する必要があります。

ベルトの材質

ベルトの材質は主に、ポリエステル、ナイロン、ポリプロピレンなどの種類があります。

ポリエステル製のラッシングベルトは、弾性率が高いため硬質で変形しにくく耐久性に優れます。吸水性も高いため、耐水性においても有利です。

ナイロン製のラッシングベルトは、柔らかく伸びがあり、破断しにくいのが特徴です。ポリエステルには劣りますが、吸水性能も高く水に濡れる場所でも安心してご利用いただけます。

ポリプロピレン製のラッシングベルトは、耐薬品性や耐水性に優れ、軽量であるため取り扱いしやすいのが特徴です。強度や耐候性には劣りますので、ポリエステルやナイロンに比べるとあまり使用されていません。

ベルトの織り方

ラッシングベルトには、「平織り」と「綾織り」があり、材質だけではなく織り方も強度などに関わりますので重要なポイントです。

平織りは、繊維を縦横一本ずつ織り込んでいる形状で、引張強度や摩擦強度が高く丈夫ですが反対に伸縮性には劣ります。

綾織りは、「斜文織」とも呼ばれ、縦糸が2~3本の横糸を通過したあとに1本の横糸の下を通過する織り方です。伸縮性に優れますが、摩擦に弱いという特徴があります。

ラッシングベルトは荷物をしっかりと固定する用途で引張強度、耐摩耗性が重要になるため、平織のベルトが望ましいとされています。


PL(生産物賠償責任)保険

PL(生産物賠償責任保険)に加入している製品もあり、商品情報などに掲載されています。該当のラッシングベルトが原因で、消費者や第三者が生命・身体・財産に被害を被った場合、製造側が法律上の損害賠償責任を負担する場合の損害を保障する保険です。万が一の際にも保証がある方が安心という方は、PL保険が付いているものをお選びください。

ラッシングベルトの購入

ラッシングベルトは、ホームセンターやインターネット通販などで売っています。既成品だけではなくオーダーメイド品もあり、ベルトの長さや両端の金具の種類などが自由に選べますので、用途に合わせてぴったりな製品をお求めの場合はご利用ください。

大量生産された中国製の製品は価格が安いですが、長期的に使用するためには高品質で安心な日本製のラッシングベルトがおすすめです。

トラデポでも国内生産の高品質なラッシングベルトを取り揃えておりますので、お気軽にお問い合わせください。